不動産コラム

2022/10/11不動産コラム不動産ニュース解説
バーナンキ元FRB議長のノーベル経済学賞受賞、の感想「今年だったか!」

今年のノーベル経済学賞は、元米国FRB議長のベン・バーナンキ氏ら3名に贈られることが決まりました。私(弊社代表)としては、もっと早くから、いつか清滝信宏氏と共に受賞する、と予想していたので、受賞自体は驚きではないのですが、「今年だったか!」という点と、このニュースについて日本のメディアの採り上げが小さい、という点に驚きました。

バーナンキさんがFRB議長だった当時は、まさにリーマンショック後の全世界的な金融危機の真っ只中で、日本の不動産価格の下落と、それに伴う経済危機に私自身が"巻き込まれていた"頃でした。また、バーナンキさんはバブル崩壊以降の日本の金融政策、金融行政の失敗を研究されていた人で、アメリカは日本の失敗から学び同じ轍を踏まないという信念の下、大規模な金融緩和を早くから実施した人でした。
 その人が今年、つまりアメリカでインフレが問題となっている年に、ノーベル経済学賞を受賞した、つまりスウェーデンの銀行協会がノーベル経済学賞を"与えた"、ということは、今年やっと、バーナンキ氏の経済理論にお墨付きを与えることができた、ということでしょう。

バーナンキ氏の経済理論としてよく採り上げられるのは、「バーナンキの背理法」というもので、簡単に言うと『中央銀行が既発の国債を買い続ければ、どこかでインフレになる。仮にインフレにならなかったとしても、新規に発行される国債も買い続ければ、どこかでインフレになる。これでもなお、インフレにならなかったとすれば、事実上の無税国家が誕生するが、そんなことはありえない。』というもの。
 これ、数学的な意味での背理法ではないのですが、世界的なデフレ下の当時は、中央銀行の量的緩和の是非と効果について、経済学者の間で論争になっていました。アメリカでインフレが始まった昨年初め以降、やっぱりバーナンキの理論は正しかった、という認識が広がり、今年はノーベル経済学賞を与えても良いだろう、と意識されるようになったのでしょう、もちろん、バーナンキさん自身はFRB議長になる前から多くの金融理論の論文を発表していましたから、その研究の成果が受賞の理由であるのですが。

ところで、私があるウェブメディアで、円安を伴う資源インフレを予測した記事を投稿したのは11年前(東日本大震災の7日前)でした。いま読み返すと、我ながらよく説明しているな、と感心します。メディアではエコノミストがいろいろ円安の原因を論説していますが、大事なことを言っていないような気がします。円安の原因は、日本の財政が悪いからで、円安の始まる切欠が、ロシアによるウクライナ侵攻による国際政治の不安定化であった、ということではないでしょうか。

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