"争続"を避けるため

会社を所有し経営されている方が、自らの相続が発生したときに円滑に後継者に事業を承継し、親族が円満に相続財産を分けられるようにすることは、非常に重要です。

そのために、事業の継続に必要な不動産と、ご自宅や資産運用目的で保有している賃貸マンションなどの私的な不動産とを、明確に分け、保有する個人/法人を分けて整理しておくことが重要になります。

例えば、経営されている工場の土地を個人名義でお持ちで、土地上に経営されている会社が工場を持っているとすると、現在は100%株主として土地と建物を事実上同一人が所有していることになりますが、相続が発生したとき、土地が親族の共有になり、建物を法人が単独で保有する(法人の株を親族で分配)など、権利関係が複雑になります。

これを避けるため、工場の土地と家屋を、保有することのみを目的とした法人を設立して予め土地・家屋を譲渡し、工場を経営する会社に賃貸して賃料のやり取りをしたり、工場を持つ会社に土地を賃貸する賃貸借契約を締結して、地代相当額を役員報酬の代わりに得るなど、いろいろな対策があります。

さらに、本業に必要な工場や店舗と、社宅兼用で保有している賃貸マンションなどを、本業に特化した会社と、本業以外の資産運用目的の会社に分けて保有させ、本業の会社の株式は後継者に100%(遺言で明確に)相続させ、資産運用目的の会社の株式を親族で遺留分として分けさせるなど、相続が発生する前に準備しておく不動産の整理には、様々なパターンがあります。

このような場合、そこで行われる不動産の譲渡や賃貸借は、関係者間の取引に当たるため、適正な価格で取引を行われないと、税務上の問題が生じることがあります。
さらに、相続発生前に行う不動産の整理が、かえって親族間の意見対立を生む可能性もあります。

したがって、このような不動産の整理には第三者の専門家のアドバイスを得、適正な金額と取引形態に留意し進めることが大切です。

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