不動産を買うときの金利の考え方

不動産を100%自己資金で購入する人は少ないでしょう。住宅を購入する場合は住宅ローンを借りる人が圧倒的に多く、事業用の不動産を企業が買う場合でも、取得する不動産を担保として借入を行うことが一般的です。その際、借入に金利が付されますが、低金利が続いているため、金利負担はあまり意識されなくなっているようです。

しかしこの「金利」、借入条件によっては、少なく感じられるようで実は大きな金額になることをご存じでしょうか。例えば、4,000万円を固定金利2%、20年の元利均等返済で返済する場合、20年間の金利の合計額は、約893万円です。借入れた元本4,000万円に対して、22.3%程になります。

元利均等返済というのは、その年の借入の残高に対して利率が掛けられ金利が決まり、固定された返済額のうち金利分を引いた残りを元本の返済額とする考え方です。図のように、毎年決まった返済額のうち先に金利が支払われ、残りを元本の返済として毎年借入の残高が減少するというものです。借入の残高は少しづつ減少するので金利の支払いも年々減少して行き、最後の年は返済額のほとんどが元本になるというものです。

この元利均等返済の毎年固定の返済額の借入額に対する割合は、すこし難しい計算になりますが、次の式で求められます。

この式は「年賦償還率」と呼ばれ、金融や保険の分野では重要な式になります。借入期間が短くなれば元本に対する毎年の返済額は当然大きくなりますが、金利負担は小さくなります。借入期間が長期になれば、なかなか元本が減らないため、金利の合計額が大きくなります。

変動金利の場合、通常は固定金利よりも金利負担は小さくなりますが、借入条件や金利変動によっては固定金利の場合より金利負担が大きくなることがあります。一般的な住宅ローンの場合、返済額は毎年一定で、金利の増減により返済期間が前後する(元本が完済する時期が金利が上昇すると長くなり、金利が下がると早くなる)融資契約が多いのですが、事業用や投資用の不動産を取得する際の融資の条件は様々です。

いずれにしても、金利は毎年の"経費"として生じるものなので、利率が低いからといって、負担が小さいとは言い切れません。

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