FGKコラム

2021/05/21不動産コラム
共有建物の分割は、もっと難しい。

先日、共有の土地を分割して、複数の単独所有の土地とする取引は、公平に分けるのが難しいと述べましたが、共有の建物を分割して、複数の単独所有の建物とする取引は、もっと難しいと言えます。
 これは言わば、共有ではあるものの1つの建物として建っている建物を、複数の区分から成る区分所有建物にする取引です。こうなると、"取引"というより、明確は法的・物理的な不動産の分離を行う"作業"になります。

建物について、共有者間でどこをどう分けるかを決めても、そのように分けることが物理的に問題ないか、メンテナンスや将来区分を譲渡したときに取得者との間でトラブルにならないか、そのように分けることが法的に(主に区分所有法、不動産登記法、建築基準法の3法)可能なのか、検証しなければなりません。

また、分けると決めた後も、建築士や土地家屋調査士が協力して、分割する位置の寸法を決め、共用部分の範囲などを具体的に作図し確定しなければなりません。さらに、区分所有にした後に、形式的でも管理組合の運営が必要なため、管理規約やその他のルールを定めなければなりません。これは、マンション管理士からの助言も必要とするところです。
 区分所有建物にすると決めたとして、その区分ごとの価格を、共有持分割合にピッタリ合せることも至難です。通常は、必ず差額が生じ、差額分を精算する売買契約としなければならないでしょう。

このように、建物の共有状態を解消して区分所有にすることは、かなり大変は"作業"です。実態としても、共有者の1人が他の共有持分を全部買い取って、単独所有とし区分所有にはしない、という取引が多いようです。
 他の共有者が特定の部屋に居住している場合でも、その部屋について新たに賃貸借契約を締結することで、占有の状態を維持することも可能です。共有持分を買取る側の資金調達が問題になるときは、担保評価を行って、金融機関から融資を受け、賃貸で得られる家賃を返済原資とすることもできるでしょう。区分所有にするよりも、明解かつ安価に共有状態を解消することが可能です。

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