FGKコラム

2021/03/29不動産コラム
新型コロナウィルスと不動産価格

先週、国土交通省から、2021年1月1日時点での公示地価が公表されました。

新型コロナウィルスの感染拡大による1回めの緊急事態宣言から約1年経ちましたが、ここ1年、地価公示の評価員に限らず、不動産鑑定士は新型コロナウィルス感染症が不動産価格にどのようにどのくらい影響するのか、悩みながら注視してきました。

最初に中国の武漢市で未知の肺炎の流行が発見されてから1年以上経ち、日本国内で不動産価格にどのような影響を与えたか、だいたい分かってきました。概ね以下のような状況です。

・飲食店や小売商店が集まる繁華街の地価は大きく下がった。飲食店の出店希望者が大きく減り、現に賃料を払えず支払猶予要求・滞納・退去する事業主も急増した。

・オリンピックまでを目指し開業したホテルが、目論見通りに集客できず事業主の経営が大きく悪化した。特に、用地を高額に取得した事業主の資金負担が重くのしかかっている。

・リーマンショック前後と異なり、金融市場での混乱が不動産市場に与えた影響は小さかった。株価は上昇傾向にあり、倒産の危機に直面した不動産会社などはほとんどなかった。投資物件の売買も、取引数は減ったが価格は大きく下がっていない。

・戸建住宅地の需要はそれほど影響を受けなかった。金融機関の住宅ローンの融資姿勢が厳しくなることはほぼなかった。比較的小規模な住宅分譲は、前年と変わりなく各地で行われた。

・テレワーク、リモートワーク需要で郊外の住宅地が人気との報道があったが、報道されたほどの大きな影響はなく、郊外の住宅地の価格は相変わらず低迷していた。

・マンション販売が新築・中古ともに減ったが、価格は下がらなかった。ディベロッパーが新規供給戸数を抑えたことが原因のよう。賃貸マンションの入居率も大きく下がってはいない。

・地方の観光地の用地需要は、もともと厳しかったので、需要減退が新型コロナウィルスの影響なのかどうか、不動産価格の面では判断できない。

といったところでしょうか。

大概、不動産市場は実体経済の悪化の後から影響し始めるので、4月からの今年度の動きはさらに注目されます。

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